留学生の就活事情

留学生専用の就活はある?

留学生専用の採用スケジュールについてですが、日系企業では基本的に設けられていません

大企業では、グローバル化の推進や日本と海外の橋渡し役としての活躍を期待し、毎年多くの留学生を採用しています。

ただし、障害者雇用とは異なり、外国人新入社員を採用しても企業に補助金などの優遇措置はありません。そのため、企業側にとって積極的に外国人を採用する直接的な経済的メリットは大きくないのが現状です。

SPI受験と採用の流れ

前述の通り、留学生専用の採用スケジュールはほとんど存在しないため、留学生の就職活動は日本人学生と同じ流れで進みます。
提出書類や面接はもちろん、性格診断やSPIなどのWebテストも受験する必要があります

特に注意したいのはSPIなどのWebテストです。提出書類は英語での提出を認める企業もありますが、Webテストは依然として日本語での受験が必須な場合が大半です。

さらに、面接も基本的には日本語で行われるため、日系企業に就職するにはある程度の日本語力が必須になるとも言えます。
もし日系企業に就職を希望するのであれば、研究室では日本語能力が伸ばすことを一番に考えてもいいでしょう。

9月卒業生の就活時期

9月卒業なんですが、就活はいつから始まりますか?

留学生の中には9月卒業の方も少なくありません。

しかし、多くの日系企業では9月卒業生向けの特別な採用スケジュールは設けられていません。
基本的には日本人学生と同じ時期、つまり修士学生や博士の一般選考では3月~7月に、博士早期選考では7月~12月に就職活動が実施されます。

修士学生の場合

一般的にはM2の3月~7月に就活することになります。

就活が長引くと9月の修論発表の準備と時期が被ってしまうため、できるだけ早期に内定を貰えるようにしっかり準備することが大切です。

博士学生の場合

一般選考ではD3の3月~7月に、製薬・化学業界の博士早期選考の場合はD2/7月~D3/12月に就活することになります。

修士学生と同じく、就活が長引くと9月の博論発表の準備と時期が被ってしまうため、できるだけ早期に内定を貰えるようにしっかり準備することが大切です。

卒業してからの就活も可能

卒業後すぐに就職を希望しない場合は、半年〜1年ほど準備期間を設けて翌年の採用活動に参加することも可能です。
つまり、卒業後半年ほどで企業研究などを行い、3月~7月に就活をする流れになります。

メリットとしては、学生時代に研究に専念できます。また、卒業後に日本語能力や専門スキルを向上させ、志望企業の選択肢を広げられることも可能です。

一方で、入社までの生活費の確保や、卒業後は学生ビザが切れるため、就職活動ビザや特定活動ビザへの切り替え手続きが必要になります。
日本で就活を続ける場合、ビザの有効期限と企業の選考時期を確認するとともに、生活関連の不安要素がある方は親や知り合いとよく相談することをお勧めします。

入社時期

日本人学生と同じなら、入社は4月?

日本人学生と同じ就活スケジュールで進めた場合、基本的な入社時期は4月になります。

しかし、留学生の中には9月卒業の学生も多く、希望すれば卒業直後の10月入社も可能です。
通常は面接の中で入社希望時期を聞かれるため、遅くとも最終面接までに希望時期を決めておくと安心です。

また、9月卒業後に半年間の自由な期間を過ごし、日本人学生と同じ4月入社を選ぶこともできます。この場合は、ビザや生活費の確保も計画的に進める必要があります。

日本語はどの程度必要?

日系企業では入社後にも意識を向ける

大企業への入社を目指す場合、日本語能力試験(JLPT)N1レベルがほぼ必須です。

というのも、上述のようにSPIなどのWeb試験や面接が日本語で実施されるため、少なくともこれらを突破するための「読み・書き・喋り」は必要です。

面接ではJLPTのレベルを聞かれることも多いため、最低でもN2は取得するようにしましょう

また、グローバル化が浸透してきているとはいえ、日系企業では社内言語が日本語であることがほとんどです。

特に研究・開発職では

  • プロジェクトメンバーとの議論や調整
  • 成果発表や資料作成
  • 社内外の打ち合わせや報告

など、入社後の方が、就活時よりも高い日本語能力が求められます。

学生時代に日本語能力を高めておく

大企業では社員同士の交流が盛んで、自己研鑽制度などを通じて入社後に日本語能力をさらに伸ばす機会があります。
しかし、こうした良い環境を活かすためには、学生時代から一定の日本語力を身につけておく努力が欠かせません。

日本語力を伸ばすための具体的な方法は以下の通りです。

  • ニュース記事や論文の日本語読解を日常的に行う
  • ディスカッションの練習を通じて、会話力と論理的表現力を磨く
  • インターンシップやアルバイトで、日本語を使う職場環境に身を置く

今後のキャリアにおいても日本語能力は欠かせません。
学生時代から意識的に日本語力を高める習慣を持つことが、将来の選択肢を広げることにつながります。

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