就活の軸

就活の軸と業界

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そんなふうに明確な目標がある人は、進むべき道も自然と決まります。

しかし現実には、なんとなくで大学院に進学した人も少なくありません。
そうした場合、どの業界を目指すべきかが定まらず、就職活動を始めるのが遅れたり、動いても軸が定まらずに迷走したりしがちです。

業界によって初任給が全然違う・・・

安易に業界を決めてしまうと、入社後に他業界の同期の話を聞いて、「あっちの方がよかったかも…」と感じることがあります。
業界によっては、初任給や昇給スピードに大きな差があることも事実です。

だからこそ、自分なりの就活の軸を持ち、それに基づいて志望業界を絞り込んでいくことが大切です。

仕事と私事

就活の軸とは、卒業後50年にわたる人生を見据えて、自分は何を大切にしたいかという価値観を明確にすることです。

ここで意識すべきなのは、今後の人生では「仕事」と「プライベート(私事)」がほぼ半分ずつの割合で存在するということです。
プライベートを充実させるためには、まず仕事を通じて収入を得ることが必要ですし、逆に仕事のパフォーマンスを高めるには、プライベートが充実していることも欠かせません。

このように、仕事と私事はお互いを支え合う関係にあります。

最近では、週休3日制やフレックス制度を導入する企業も増えており、「ワークライフバランス」を重視する動きも加速しています。

そのため、自分に合った業界や企業を見つけるためには、「仕事」と「私事」の両面から、3つずつくらい大切にしたいポイントを考えてみましょう。

仕事の軸

「仕事の軸」とは、働くうえで大切にしたい価値観のことです。

たとえば、よく挙げられる観点として以下のようなものがあります。

  • やりたいこと(病気で亡くなった家族がいるため、抗がん剤の研究をしたい)
  • 好きなこと(化粧品が好きなため、化粧品開発に携わりたい)
  • 伸ばしたい長所(英語力を伸ばすため、海外勤務できる会社がいい)

また、仕事内容だけでなく、環境として会社に求める条件も非常に重要な要素になります。

  • 研究に力を入れている会社(研究費が多く、研究に専念できる環境)
  • ボトムアップ型の企業文化(若手でもテーマ提案ができる)
  • B to C企業(研究成果が消費者の反応として見える)

やりたいことで考えることが多かったけど、環境も大事だね

仕事の軸を明確にすることで、入社後のギャップを減らすことができます。

それだけでなく、自分の価値観や目標に合った職場を選ぶことで、仕事へのモチベーションも高まり、結果的により良い成果を生み出すことにもつながります。

私事の軸

「私事の軸」とは、人生において大切にしたい価値観のことです。

特に20代以降は、結婚・育児・親の介護など、私生活にも大きなイベントが訪れるなど、趣味や余暇を楽しむ時間も重要です。

  • 給料が高い
  • 残業が少ない
  • 休みが多い(有給取得率や年間休日数)
  • 都心で働きたい(通勤・生活利便性)
  • 大企業で安定したい(福利厚生や将来性)

もちろん、「給料が高い」ことは魅力的ですが、それ以上に大切にしたい価値観があるかもしれません。
自分にとって何が最優先なのか、今一度見直してみることが、納得のいく企業選びに繋がります。

人間関係・風土は入社までわからない

優しい上司のもとで働きたい

といった人間関係や職場の雰囲気を就活の軸にする人もいます。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

ただし、これらは実際に配属される部署によって大きく変わるため、あまり信頼できる判断材料とは言えません。
特に大企業では、部署ごとに風土や残業時間がまったく異なることも珍しくなく、同じ会社とは思えないと感じるほどの差がある場合もあります。

また、研究職の場合は基礎研究と開発研究で働き方が大きく異なります。開発研究は納期があるため、残業が増えやすく、指導体制も手薄になりがちです。

こうした実情を理解したうえで就職先を選ぶことで、入社後のギャップを最小限に抑えることができます。

本音と建前はしっかり分ける

上述したように、最近ではワークライフバランスを重視する企業も増えています。

しかし、プライベートの充実といった私事の軸は、その企業でなくても実現できることが多く、企業選びの決定打としてはやや弱いと言えます。

企業が重視するのは自社の成長に貢献してくれるかどうかです。
ESや面接で私生活の充実ばかりを強調すると、「仕事より自分の都合を優先する人」と受け取られる可能性もあります。

ワークライフバランスが大切であることは確かですが、選考の場では仕事を通じて何を実現したいかといった仕事の軸を中心に語るよう心がけましょう。

給料が高いから……は流石に印象が悪い

【参考例】業界・会社の決め方

では、実際に僕が就活時に業界や企業を決定した例を参考に解説していきます。

仕事の軸と私事の軸

僕は博士課程を出ているので、研究には力を入れたいと思っていました。
一方で、自分の専門にこだわりはなく、むしろ新しい分野も知りたいと思っていたため、仕事の軸は新しいことへの挑戦が中心でした。

また、プライベートでは何よりも給料や福利・厚生、休日が大事でした。また、仕事でプライベートでも恩恵を受けれるため、大企業に入ることも大きな目標でした。

以上から、仕事と私事の軸をそれぞれ3つ書くとすれば、下記のようになります。

仕事の軸

  1. 色々なことに挑戦できる
  2. 異分野と交流できる
  3. 研究に力を入れている

私事の軸

  1. 給料
  2. 福利・厚生
  3. 大企業

業界の決定

【業界決定の手順】

  1. 就職できる業界・過去に先輩が就職した業界をピックアップ
  2. 仕事の軸・私事の軸で2次元平面を作り、各業界をその平面に当てはめる

農学専攻ということもあり、ピックアップした業界と、自分の軸とを当てはめたのがこちらです。

結果から、食品、化学、製薬業界に絞ることにしました。

ポスドク:博士卒の一つの道ではあるが、仕事・私事の軸的に合わずナシ

食品:一番興味のあった業界。しかし、化学・製薬に比べると給料がやや落ちる

化学・製薬:給与水準が高く、福利厚生も手厚い。仕事の軸においても申し分なし

さらに、博士卒の場合は博士学生の早期選考というものがあります。

僕は早い段階で就活を終わらせたい&大企業に入ることを決めていたため、博士早期選考を実施していない食品会社を志望業界から除外し、化学または製薬業界に決定しました。

会社の決定

業界決定後は、インターンシップや合同説明会に積極的に参加し、情報収集や企業研究を行います。

業界決定後の情報収集では、給与や待遇の細かな差や社風など、説明会などで質問して社員の生の声を聴くことが重要になります。

化学・製薬業界の場合、大企業では給与や待遇に大きな差はなかったため、新しいことに挑戦できるかを中心とした社風の確認、内定時期などを踏まえ、最終的な就職先を決定しました。

僕の場合は博士の就活スケジュールになりますが、業界決定から内定まではこのようなスケジュールでした。

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