就活はいつから?

就職活動も学生の一大イベント

理系の皆さん、研究は順調でしょうか?
多くの学生は朝から晩まで研究室に籠り、充実した日々を過ごしていると思います。

しかし、大学での研究だけが全てではありません。
卒業後の人生を見据え、就職活動という大切なイベントにも少しずつ目を向けていく必要があります。

就活っていつから始めればいいの?

という方のために、この記事では理系大学院生の就活時期やポイントについて解説します。

修士はM1の夏頃から始めよう

大学院に進学した皆さん。ご入学おめでとうございます。

卒業した友人たちは社会人としての歩き始めました。自分たちもこれから修士学生として研究に打ち込んでいかなければなりません。

私はあと2年も学生でいられるんだ~♪

なんて思っていませんか?

就活はM1の3月から……という情報に騙されるな!

2018年以降、内閣官房より就職・採用活動に関する要請があり(2017年までは経団連)、企業が広報活動や就職活動を開始できる日程というのが決められています。

しかし企業は、優秀な学生を確保するために、他社に先駆けて動こうと必死です。

そのため、OB訪問や企業紹介と言った形で、大学等で説明会を開催など、公式な日程より早く就活が始まることが多いのが実情です。

多くの企業がM1の秋〜冬にかけて何らかの形で説明会を実施しているため、M1の3月より早く就活を始めることを意識しましょう。

インターンシップに行くなら数か月しかない

M1の冬頃には就職活動が始まるということでしたが、その前にも一大イベントがあります。

それがインターンシップです。

日程としては、現就活生(M2)の就活が落ち着く時期である7月頃からインターンシップが始まります。
つまり、大学院に進学した学生の採用活動は、もう数か月後に迫っているわけです。

こう見ると意外と就活まで時間がないのね。。。

インターンシップが始まる8月に就活を始めることを考えると、遅くともM1の夏ごろには就活へのスイッチを入れるようにしましょう。

そもそもインターンシップって行く価値あるの?

いや、インターンシップに行かないなら結構時間あるんじゃ……?

と思う人もいるかもしれません。実際、準備やエントリーが面倒に感じて、インターンシップに参加しない学生も一定数います。

しかし、インターンシップには以下のようなメリットがあり、本選考に向けて有利に進めることができます。

  • エントリーシート(ES)のベースが作れる
     → 本選考時にゼロから考える必要がなくなり、時間と気持ちに余裕ができる。
  • インターン参加者限定の早期選考に進める場合がある
     → 一般の選考よりも倍率が低く、内定を得られるチャンスが広がる。
  • 本選考の面接でアピール材料になる
     → 早い段階から関心を持っていたことは大きな強み。

そのため、『この企業に行きたい!』と明確な志望がある人や、『大企業などの倍率が高い企業に行きたい』という人は極力インターンシップにエントリーするようにしましょう。

インターンシップについては以下の記事で詳しく解説しています。

行きたい業界が決まってない人は合同説明会に行こう

自分が将来どんな仕事をしたいかわからない

と考えてる学生の皆さん、安心してください。修士学生の大半がそんなものです。

そもそも、数年しか研究をしていない学生が、本当に研究職に向いているかどうかは分からないものです。実際に、研究が思うようにいかず、営業職など別の職種を選ぶ修士の学生も一定数います。

また、業界の内部事情を知らなければ、どの業界が自分に合っているかを判断するのはさらに難しいことです。

では、学生が実際に就職先を選ぶ理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 化粧が好きだから化粧品メーカーに行きたい
  • 試作品を食べられるから食品メーカーに興味がある
  • プログラミングがしたいからIT企業を目指す
  • 福利厚生や給与の良さから製薬・化学メーカーを選ぶ
  • ネームバリューのある大企業に憧れる
  • 海外で働きたいからグローバル展開している企業を志望する

実際のところ、学生が就職先を決める理由はこうしたシンプルなものが多いです。

まずは、自分が興味を持てる業界や、社会人としての生活で譲れない条件(勤務地や給与、年間休日数など)を整理し、それを軸に少しずつ業界や企業を絞っていくのが良いでしょう。

特に、修士1年の10月から2月にかけては、様々な業界や企業が参加する合同説明会が開催されます。業界や企業のイメージがまだはっきりしない人は、ぜひ参加して雰囲気を感じてみてください。

意外と、これまで視野に入れていなかった業界に魅力を感じることもあるかもしれません。

業界や企業を選ぶために重要な就活の軸についてはコチラの記事で紹介しています。

博士はD2の春ごろに始めよう

博士課程に進学した皆さん、ようやく研究生活も折り返し地点です。

学振DC1に採用された人は、来月から月20万円の生活費が支給され、これまでとは比べものにならないほど生活の質が向上するでしょう。お金遣いが荒くならないよう気を付けてください。

一方で、残念ながらDC1に通らなかった人は、DC2に向けて国際論文を投稿できるよう頑張りましょう。

修士がM1の夏スタートだから、博士はD2の夏に就活を始めればいっか!

なんて考えていると、死ぬほど後悔します。

博士学生に就活ルールは適用されない

博士の就職活動も、インターンや本選考のタイミングは基本的に修士と同じです。
D2の夏ごろにインターンシップが始まり、D3の4月から本選考が始まります。このあたりの選考については、修士・博士関係なく合同で選考が行われます。

しかし、注意すべき大事なポイントが一つあります。

それは、博士学生は内閣官房の就活ルールが適用されないということ。

つまり企業は、年中いつでも博士学生を採用してOKなのです。

博士の早期選考に向けて準備しよう

結局、博士の就活っていつからなの!?

民間企業への就職を希望する博士学生は、D2の春ごろから始めるのが良いでしょう。

というのも、博士学生を対象とした早期選考(いわゆる「博士選考」)が存在するからです。

現在、博士選考を実施しているのは主に製薬・化学メーカーの大企業ですが、近年では食品・飲料メーカーなど、他業種にも広がりを見せています。

また、選考時期も年々早まっており

  • 2020年:10月頃スタート
  • 2025年:製薬メーカーは7月頃、化学メーカーは8月頃スタート

と、明らかに前倒しの傾向があります。

博士選考はエントリーする学生数が少ないため、一人ひとりを丁寧に評価してもらえる傾向があります。研究内容や能力が評価されれば、偏差値に関係なく大企業から内々定を得ることも十分可能です。

特に大企業志向の博士学生にとっては、博士選考で内々定を取ることが非常に重要な戦略になります。

一方で、博士選考は修士対象のような大規模な企業説明会が実施されないケースが多く、情報を自分で取りに行く必要があります。そのため、少し早めのD2の春頃から業界・企業研究を始めるようにしましょう。

なお、博士選考の具体的な選考開始時期やエントリー方法は企業によって異なります。
気になる企業がある場合は、夏前ごろから採用ページを定期的に確認するようにしましょう。

早期選考にエントリーしないのであればインターンシップに

製薬や化学メーカーなどの一部大企業を除けば、博士の早期選考を実施していない企業の方が多いのが現状です。

そのため、志望する業界や企業によっては、博士選考にエントリーせず、修士学生と同様の一般選考を受けることになるケースもあります。

このような場合は、修士学生と同様に、インターンシップを積極的に活用することが重要です。

インターンシップに参加することで、

  • 企業との接点を早めに持つことができる
  • エントリーシートや面接でアピール材料になる
  • 参加者限定の早期選考に案内される可能性がある

といったメリットがあります。

特に大企業や人気企業を志望する場合、インターンシップ経験があるかどうかで就活の進みやすさが大きく変わることもあります。

「研究に集中したいからまだ早い」と思わず、今から少しずつ動き始めること大事だね!

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